単独インタビュー*三姉妹の次女 \ガブリエラ・サンチェス/

母 ガブリエラ・サンチェス(中央右)、娘 アルテミサ・ラミレス(中央左)

Q. サンチェスファミリーはとても仲の良い印象ですが、ご家族やご自身のブランドについて教えてください
ガブリエラ・サンチェス(以降G)
わたしたちは宝石の家族で、アルテミサ(娘)で4代目になります。
父のことをとても誇りに思いますし
宝石商をはじめて、わたしたちに伝統を引き継いでくれた祖父のことも誇りに思っています。
父は今も新しい作品を作りつづけていきたいという気持ちがあり、コンクールなどにも出品しています。
初代の祖父は子ども(ガブリエラの父・フランシスコ)がまだ小さかった頃、身近にあった基本的な道具で物を作品にするところからはじめました。
父が1936年に生まれているので、その頃からだと思います。
CITLALIというブランドをはじめたのは父で、創業して55年経っています。

アルテミサ・ラミレス(以降A)
祖父はとても素敵な人です。
GABRIELA SÁNCHEZは今年で23年目になります。
わたしは宝石の一家に生まれ、ジュエリーに関する同じ仕事を家族で行い宝石やジュエリーの美しさを知ることができるのは、もちろん挑戦しないといけないこともあるし大変な面もあるけれど、わたしたちの血筋であり、とても素晴らしいことだと思っています。

G. 父の宝石やデザインへの愛情が3人の娘に伝えられ、そこからまた3人の孫娘にも伝えられています。




Q.ガブリエラさんが教師からジュエリー業界に転身したきっかけを教えてください
G. 幼稚園の教師をしてきたのですが、私が35歳、アルテミサ・ラミレスが10歳の時に転身を決めました。
自分のクリエイティビティをジュエリーの業界で発揮していきたいと呼ばれました。
とても強く呼ばれました。
アルテミサ・ラミレスは2000年頃のまだ小さかった時からジュエリーに慣れ親しんで、10歳から作品を作りはじめていて、少しずつ仕事するようになりました。
わたしたちは新しい作品を作る時も一緒にデザインしています。
アルテミサはコミュニケーション学を勉強していたので、そういった観点もブランドに持ち込んでくれています。


Q. 母娘で一緒に働くことについてどう感じていますか?
A. わたしは小さい頃から何年も母と一緒に働いていて、母はいつも素材を用意してわたしを自由にさせてくれるので
働くというよりも常に何かを創造している、ものを作っているという感覚です。
自由に創造しなさい、自由に作りなさいといつも言ってくれる感じです。
もちろん、挑戦も必要で大変なこともありますが、二世代に渡ってやっているということはとてもよいことで、お互いが何を欲しているのか、ブランドが何を欲しているのかということを理解することが大切だと思っています。




Q. 今までブランドを続けてきて、苦労したことはありますか?
G. 毎日大変です。
ビジネスをする時は広げすぎて焦点を見失ってしまうことがあります。
内容を絞ってフォーカスして、適切なビジネスを適切なお客さまに届けることが大切です。
父はいつも疲れないで、目標を持って根気強く、そして常に夢を持って楽しんでいます。
「仕事は楽しみながらする。楽しく仕事をできているうちはその道を進み、疲労困憊して楽しくないと思ったらもう仕事ではない」という考えを父から学びました。中にはやりたくない事もあるけれど、常にどうやったら楽しめるのか? を考えながらデザインや計画、もの作りをしています。




Q. GABRIELA SÁNCHEZはとてもかわいいチャームがたくさんありますが、何からインスピレーションを受けてデザインしているのですか?
A. ジュエリーには魂を持っていてほしいと思っています。
一つひとつのジュエリーが物語を語ってくれる。
そしてわたしたちの伝統や国のことも語ってくれる。
わたしたちはよく自国にフォーカスをあてますが、それはどんなものがあって、どんな風に物事を見ているのか、どんな生活体験を送っているのかという視点です。たとえば今あなたがつけているネックレスは「フェスティバル」がテーマなのですが、小さいころ母がパペルピカドの飾り方を教えてくれたという、母と娘の実体験の物語があります。



G. GABRIELA SÁNCHEZの商品はメキシコのアイコンを使って、メキシコの文化などを象徴しています。
ロテリアやアガベ、コラソン、カラベラ、オトミ、パペルピカドなどです。
ロテリア(カードゲーム)

 アガベ(リュウゼツラン科の植物)

 コラソン(心臓)

 カラベラ(頭蓋骨)

 オトミ(刺繍)

 パペルピカド(切り絵の装飾)



Q. 天然石を選ぶときは何を大切にしていますか?
G. 毎年展示会に行ってわたしとアルテミサが選んできますが、見た目だけではなくどんなエネルギーを持っているか、どんな輝きがあるのか、質感があるのか、切り方はどうか色はどうか、きちんと責任をもって品質を大事に扱われてきた石なのかということも考慮します。
工房に持って帰ったあとは、これとこれを合わせたらよい、これとこれを合わせると何か違う、エネルギーが回らない…とコンビネーションを変えながら配置作業をしつづけます。
磁石のようなもので、ピッタリとくるものがあるのです。
わたしたちは商品を作るときに、よいハーモニーが生まれるようにと祈っています。
天然石はとても長い間土地の中から蓄えてきた、地球が誕生して以来のエネルギーがあります。
展示会から届いた石はエネルギーワークをし、お客さまが購入してくれるときは愛情を持ってさようならをして、わたしたちが込めた思いやエッセンスがその人に届きつづけばいいなと願っています。


G, 日本でご覧になっているみなさま、こんにちは!
グアダラハラからわたしたちの愛情を送ります♡

 A. メキシコのグアダラハラでこのジュエリーに夢を見出し、形にすることを楽しんでいます。
わたしたちにとってこのジュエリーが日本に届くことはとてもうれしいことです。

G. わくわくします。
(取材日:2023年2月現在)