単独インタビュー*三姉妹の長女 \フローラ マリア・サンチェス/

母 フローラ マリア・サンチェス(左)、娘 アナンダ・チャティヨン(右)

Q. 父、姉妹、娘と一家揃って宝石商を営んでいるサンチェスファミリーについて教えてください
フローラ マリア・サンチェス(以降 F)
家族全員が同じことに興味を持っているのは、とても面白いことです。
もちろん家族同士で協力することもありますし、一方で複雑な部分もあります。
家族全員が似た仕事をするということは、感情的にも賢く居なければなりません。
似たような言葉で話すのですが、本当に自分の言葉が何なのかを知らなければなりません。
父のことはわたしもすべての娘や孫もとても誇りに思っているし、父もそのような家族を持っていることを誇りに思っていると思います。
父は遠くから見守りながら家族をサポートしてくれているし、大きな毛布のように包み込んでくれている感覚です。
父がどんな風にしてそうなったのかはわかりませんが、私の世代にもそうだし、その先の世代にも続いていくかもしれません。


Q. アナンダさんはいつ頃からお母さまの仕事を手伝うようになりましたか?
アナンダ・チャティヨン(以降 A)
わたしが母と一緒にFlora Maríaの仕事をしはじめたのは2014年頃からですが
ブランドに触れていたのは、生まれた時からです。
わたしはCASA FLORA MARÍA(元はフローラマリアの邸宅で、現在はリトリートや宿泊施設として一般にも開放されている)で生まれました。
ブランドもあの家ではじまったので、わたしはブランドとともに暮らしてきました。
母とわたしはお互いを補完しあっていて、彼女が必要としているところをわたしがサポートし、その逆もそうです。
それがとても良いところだと思います。


F. 先ほどお話した複雑さの一部ではあるのですが、お互いを信頼することはとても良いことですし美しいことです。




Q. ご自身のブランドを立ち上げたきっかけを教えてください
F. わたしはまだ若かったのですが、アナンダの父、元夫に出会ってチアパス州(グアテマラと国境を接するメキシコ南部の州)に住みはじめました。
アンバーに出会ったのはそこです、1988年でした。
アンバーを発見した!! と、見た瞬間にこれでジュエリーを作りたいと思いました。
当時はまだアンバーを置いている宝石店やジュエリーショップは他にありませんでした。
父のブランドCITLALIの銀のパーツを借り、それにアンバーをつけるコラボレーションからはじめて、シルバーをアンバーや天然石で組み合わせたオリジナルモデルをたくさん作るようになり、自身のジュエリーブランドの1店舗目をチアパス州のサンクリストバルにオープンしました。




Q. アンバーに出会う前は何をしていたのですか?
F. わたしは元々建築家で、ヨガを教えたりもしていました。
今でもCASA FLORA MARÍAでリトリートやヨガを行うことはとても意味のあることで、いろいろなものを受け取りますし、わたしもいろいろなパッションを伝えることを楽しんでいます。
そこでは、これまで学んできたアンバーなどさまざまな宝石の扱い方のヒントや静寂の中で、それらをお守りとして持っておくという経験を伝える時間になっています。


Q. デザインのインスピレーションはどこからきているのですか?
F. インスピレーションの源は、テーマの背景や環境をサポートしたいという気持ちからきています。
逆に、あるグループをサポートしたり自分でも知らなかったメキシコのことがあれば
それを伝えていくためにテーマにすることもあります。
たとえば今回のテーマはカカオで、カカオのグループをサポートしています。

A. その背景にある象徴をミニサイズにしてモチーフにしています。
カカオの場合、どこで作られているか、どんな人が作っているか、今あるリスクや森がなくなっていっている実情をコレクションを通して伝えていくことができるし、つけている人もジュエリーをきっかけにそのテーマの話をすることができます。




F. 新しいコレクションも、サンショウウオとはどういう動物でどんな所に住み、どんな伝説があるのか
そして今、絶滅しかけている動物であるということなど、テーマに意識を持ってもらうことが重要だと思っています。




Q. わたしたちはサンチェス三姉妹の商品のかわいさ、クオリティはもちろんですが
作品のテーマになっているストーリーに対してとてもリスペクトしています。

F.三姉妹のブランドをすべて取り扱っているということはとても素晴らしいことだと思っています。
これからもコミュニケーションを取っていきましょう。私たちを頼ってください。

A. 次回は日本で会えるといいですね!

※インタビューのつづき「Flora María × 日本」はこちら



(取材日:2023年2月現在)